8月5日(月)晴れ

 5時起床、6時30分出発。エンジンが暖まるまでスローペースで5キロメートル程走っていると。テントサイトに忘れ物をしたような気がした。この様にふと思い付いたときには、本当に忘れている事が多い。路肩にモンキーを寄せる。やはりない。アメリカ軍使用M16ライフル用の工具袋がいつものところに付いてない。中には、プラグレンチ、ワイヤーブラシが入っている。ここから引き返しても、さほどのロスタイムにはならないと思いい、引き返すことにした。全開で戻るとやはり落ちていた。おまけにはさみも落ちていたので、拾っておいた。3日目でもう疲れがたまってきたようだ。

 気を取り直し再び益田市を出発、山口県に突入する。せっかく山口まで来たのだからと秋吉台を経由して下関に向かうことにする。

 秋吉台に入ると景色が一変し、木が生えていない山肌に、石灰岩が露出している。峠で止まり、写真を数枚撮る。秋吉洞に入ることは次の機会にし、先を急ぐ。

入口

 正午前、関門トンネル料近所に到着する。料金は……51cc以上20円これは、原付一種50cc以下は通行不可能ということなのだろうか。不明である。

 2キロメートル程の関門トンネルを抜けるとそこは、南国火の国九州???。と思いきや、本州と何も景色が変わらない。北海道に初めてフェリーで着いたあの感動とは大違いである。混んだ道路、変わらぬ景色。やはり北に向かったほうが良かったのだろうか。

 とりあえずR10号を南下、別府を目指す。途中オートバイ店により予備プラグとチェーンオイルを買う。ここまでの走行距離は、およそ1,000 キロメートルである。チェーンのオイルも暑さにやられ吹き飛び、錆が出てきた。そろそろ、整備が必要なようだ。

 R10号に嫌気が差し、耶馬渓谷を経由する山間ルートを通ることにした。そろそろ右折地点だと思い道路標識に注意をしていると、耶馬渓谷行き県道右折看板が出てくる、目指すは、R 212号右折である。少し走ると今度は県道左折看板。これも違う。次の看板は、隣の市境の看板である。どうやらバイパスを走っていて10キロメートル程通り過ぎてしまったようである。私の持ってきたツーリングマップは、3年前の物、バイパスは乗っていない。しかし、標識も不親切である。今更引き返すのも時間の無駄であるため、安心院経由R 387号R 500号で別府に出ることにした。前途多難である。

 山間部に入っても道路は2車線あり、快適に走行できる。荷物満載状態では、さすがに急な坂になるとスピードが落ち普通車の流れについていけない。しかし、そういった箇所には大抵、登坂車線があり、すかさず左ウインカーを出し、レーンチェンジをする。

 混雑した道路を走るより、山道の方が快適である。ルートを山に取った選択は、間違っていなかった。

 峠を越えると、別府の町が見えた。谷にはモンキーには無縁の九州自動車道が走っている。一気に坂を下り込むと辺りには、硫黄の匂いが立ち込め、蒸気が立ち上ぼっている。今日は温泉には困らないだろう。

 まだ時間が早いが、別府から少し上がった志高湖の別府市営キャンプ場にテントを張り、別府を散策することにした。

 テントサイトにオートバイを入れるには、 1,000円も料金を支払わなければならない。意味不明の決まりという説明を受ける。さほど距離もなさそうなので、荷物をかついで運ぶことにした。バッグをかついで、その重さに改めて驚き、これと、私を運んでいるモンキーの偉大さを実感した。

 別府といえば地獄めぐり、地図にも、坊主地獄、鬼山地獄、海地獄、山地獄、血の池地獄といろいろな地獄が8か所載っている。山地獄、海地獄のパーキングにモンキーを入れる。どうやら地獄に入るにも金が必要なようである。ここまで来たのだからと、400 円で山地獄に入場させていただく。園内には、何故かアフリカゾウ、カバ、猿などがいた。想像していた地獄と様子が違い過ぎる。立ち入り禁止の柵で囲った中では岩の間から轟音を立て蒸気が吹き出している。これが山地獄らしい。一般の観光客はこれに満足して帰るのだろうか。しかし、記念写真だけは撮っていた自分と、おりの中のゾウ達が妙に哀れに感じた。

 地獄の下見には、まだ年齢が達していないようだ。他の地獄を巡るのは、老後の観光ツアーの楽しみに取っておき、飛込みで入れる温泉を探す。ガイドには公衆浴場 170か所とある。選択の幅があると迷うものである。なかなか入る温泉が決められない。案内看板を目安に路地に入ると、入り口がわからない。困っていると、老人が近くのホテルの裏口から入浴できるか問い合わせてくれた。泊まり客でなくても入れるそうである。物凄く立派なホテルだ。黒服を来たボーイの指示で玄関横にモンキーを止め、ロビーで恐る恐る料金を聞く。 500円だった。高ければやめようと思っていたが、余りの安さに感激し、入れていただくことにした。フロントでエンジンキーを預けるように言われ預けたが、車ならともかく、モンキーをどうしようというのか疑問に思った。

 別府の湯で今日の疲れを癒し、夕食の買出しをコンビニで済ませキャンプ場に戻った。途中の道路はかなりの急勾配で、パワーアップモンキーでもつらいものがあった。

 今夜のキャンプは、月曜日のせいもあり静かな夜になりそうだ。

  本日の走行距離 317.7km
  昼食 コンビニ サンドイッチ おにぎり
  夕食 マーボ丼 はんぺん ビール