8月10日(土)

 午前7時大阪南港に到着。駐車場でターボユニット取付け作業を開始する。

 シート、タンクを外し、ユニットを組み込む。2回目となると手慣れたものである。30分後作業完了。試運転のため、電源を入れる。「ヒュイーン」よしよし、その1秒後「バキッ」タービンが粉々に砕けてしまった。また、取り外さなければならない。マイクの親父の悪口を猛りながら、作業を進める。朝から疲れてしまった。

マイク電動ターボ

 午前9時やっと出発できる。目的地は、三重県鳥羽だ。普通ならR25号を通り名古屋を目指すのだが。鳥羽から、フェリーで愛知県伊良湖岬に渡ったほうが、混んでなさそうだし、伊良湖といえば東三河。自宅までは3時間以上かかるが、走り慣れた道程である。精神的に楽なような気がした。

 目的地は、決まっているものの、どの道を通っていけば良いのかわからない。私の地図は大阪と三重が2ページで載っている地図で細かい道路は載っていない。連れは、旺文社のツーリングマップ近畿版だ。彼の後ろをついていくことにする。大阪市内は、カーナビゲーションが必要だ。

 堺市付近で、道に迷う。どの道を進むか、お互いの意見が分かれる。ついに、私は切れてしまった。「ここから家まで解散」と叫び、各々自分の判断で、鳥羽を目指すことになる。これで、道を間違えれば、自分の責任であり、気分が楽になる。

 大阪、奈良飛鳥付近で迷うこと2時間、途中迷っては人に聞きの繰り返しで、どの道を通ったのかわからないが、やっと目標のR166号に乗ることができた。すると、彼がコンビにで休憩しているではないか。ここからは、一本道、マシンのポテンシャルを考えると、休憩を少なくしなければ、追い越されると考えた私は、ひたすら走り続ける。解散を自分から宣言した手前、どうしても鳥羽には先に到着したかった。燃料補給でも、レースさながら、モンキーから降りることなく支払いを済ませ、直ぐに出発。途中、水分補給のための休憩を1度5分程とっただけで、ひたすら走り続けた。伊勢市内は渋滞していた。信号で止まる度に、最前列まで出る。6時間かけやっと鳥羽フェリーターミナルに到着。苦労の甲斐あり、彼よりも早く到着できたようである。普通の人なら、1週間も旅を共にした彼を待ち、フェリーに一緒に乗るのだが。私の考えは、違った。1便早いフェリーに乗り、彼を置き去りにしたかったのだ。旅の話は、おもしろい方が良い。同じ行動をすれば、話はひとつだが、別行動をすれば、2倍になる。

 計画は、成功した。私の乗った船が、乗船ゲートを閉める直前に、彼は到着した。係員と話をしているようだが、この船には乗れそうもない。彼が、デッキにいる私を見つける。私は、軽く微笑み大きく手を振った。彼も、悔しそうに手を振っていた。その直後に、携帯電話が鳴る。彼からだ。とても悔しがっている様子であった。彼に、途中、オートバイのパーツ屋と、オートバイ屋に立ち寄ることを告げ、電話を切る。あと1時間も船に乗れば、愛知県だ。

 フェリーを降り、豊川市のパーツ屋、コーエイ部品を目指す。この店は、モンキーのパーツの品揃えが豊富で、店員もおもしろい。モンキー九州リミテッドの主要部品は、ほとんどこの店で購入している。

 コーエイ部品に到着し、玄関前にモンキーを止める。店長に御土産と言い、ボンタンアメをわたす。店長爆笑。本当に、モンキーで九州に行くとは、思っていなかったようで、ばかうけであった。その後、オートバイ屋に立ち寄り、土産をわたす。ここでも、おおいに受けた。店長に「相棒は」と尋ねられる。「大阪に置いてきた」と笑いながら、答えておいた。午後7時、辺りが暗くなってきたが、2時間も走れば家に着けるだろう。

 走り慣れたR151号を北上する。途中見たことのある車が、飯屋の駐車場に止まっていた。店の前で止まり店内を見ると、友人2人がそこにいた。手招きをするので入ろうとすると、後ろから爆音がする。フェリーで1便遅れた彼に追い付かれた。二人で、店に入り、食事を御馳走になる。ここでも、九州ツーリングの話は、おおうけだった。

 車に荷物を乗せてもらう。重い荷物が無くなると、モンキーのハンドリングは途端に不安定になった。荷物が、スタビライザーの役割をしていたのだろうか。

 午後10時自宅到着。

 本日の走行距離 315.8km
 昼食   なし
 夕食  うどん定食

 

 自分で改造したモンキーで九州まで自走で行く。今回の無謀とも言える九州ツーリングも無事終えることができた。私の中では、これは、ツーリングの域を越え、冒険であった。 次の目標は、さらにグレードアップをして、自走で北海道宗谷岬を目指そうか。

 

                                   おしまい。